第8回Music-Summitライブリポート!~後編~

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Ark Masterの残虐的で過激なステージと対照的なのが、スタイリッシュな演出で知られる「concert」である。
ステージ脇に備え付けられた大きなプロジェクターに、彼らのバンドロゴが映し出されると、無邪気な子供たちの声が聞こえてきた。
「はじめまして、わたしたちはこんさーとというばんどです。じゆうに、せんすのままにかつどうしています」
意外な展開に驚きを隠せない筆者であったが、子供達の声が止むと同時に、彼ら3人が紡ぎ出す音のハーモニーがオーディエンスを包んでいった。
concertの楽曲は、常に聴く者のセンスが問われているような感覚に襲われる。メンバー全員の鋭敏な感性。それが、さらにバンドというフィルターによって研ぎ澄まされているからだ。
プロジェクターを使った演出も、彼らの音楽世界をさらに広げる役割を果たしている。
今回で2度目のMusic-Summit参戦となる彼らだが、前回と比較してメンバーそれぞれの個性が垣間見える瞬間が多々あり、筆者としては嬉しい限りであった。

過去のMusic-Summitに数多く出演していたソロアーティスト、「チャーリーゴードンの椅子」が3ピースのバンド形態に進化した「クシュケ」。
クリアートーンのテレキャスの音色と、どこか哀愁を誘うボーカルが印象的だった彼(チャーリーゴードンの椅子)に、ベーシストとドラマーが加わった事により、驚くべきパワーアップが図られていた。
「アリス」「Like a Jellyfish」・・・過去のMusic-Summitで演奏された数々の名曲群が、新たな感動を携えて胸に迫る。
ベースのグルーブ、ドラムのタイトなリズムもしっかりと曲に合っており、水を得た魚のように幻想的な楽曲空間を泳ぎ回っている。
水底にいるようで、かつ空を舞っているようでもある・・・。
2009年9月13日は、3ピースのバンドでもこのような浮遊感が再現できるという事を証明した、記念碑的な一日として語り継がれるであろう。

EWIとギターの融合。
「Artificial Sound Factory」について語る上で、最も特筆すべき所である。
EWIとは、楽器メーカーのAKAIが販売しているウインドシンセサイザーの型番であり、「吹くシンセサイザー」の総称に使われる。
簡単に言えば、EWIとはソプラノサックスがシンセサイザーになったとでも言うべきか。
前人未到とも言えるバンド形態で、セッティング時から会場、そして筆者の緊張ボルテージもマックスに上がっている。
そして遂に、時計の針が午後8時半を指した。
「Artificial Sound Factory」。彼らの「破壊と創造の時間」が来たのだ。
ドラム、ギター、EWI。
打ち込みを多用しながらも、ラウドなドラムとディストーションの効いたギターが、否応無しにライブ感を盛り上げる。さらに追い打ちをかけているのがウインドシンセ、EWIである。
「シンセサイザーと言うからには人工的な音か」という、大方の予想を遥かに裏切り、感情を増幅させたエモーショナルな音色に会場が圧倒されていく。
ステージを所狭しと動き回るパフォーマンスも、まさにロックと呼ぶべき非の打ち所の無いものであった。
それは、彼らのバンドコンセプトである「破壊と創造」・・・形骸化した音楽を良い意味でぶち破り、新しく再構築する・・・というスタイルそのものだ!

トリを務めるのは、今回急遽初参戦した「D.T.R」。
本来はメインボーカルとキーボードのユニットながら、今回はベーシストとドラマーが加わって完全なバンドスタイルでの登場である。
先ずはメインボーカル、「まほ」のキュートな歌声を全面に押し出したオリジナルナンバー2曲で会場全体の気持ちをしっかりと繋ぎ止めた。
続いて鬼束ちひろの「Infection」や、椎名林檎の有名曲を演奏。パーマネントバンドでは無いにも関わらず、絶対的な安定感のある楽曲でオーディエンスの心を酔わせている。
ドラマー、ベーシストのカッチリとしたリズムと、キーボーディストの独特なタイム感覚の交わりが、バンド全体の不思議なノリへと昇華され、「D.T.R」独自の世界観を醸し出す。
温かい手拍子で会場全体が一体となった、D.T.Rオリジナルのラストナンバーで第8回Music-Summitの幕は降りたのだった。

次回のMusic-Summitはちょうど三か月後の12月13日。再びここ渋谷La-mama行われる。
どんな個性的なアーティストが出演するのか、今から涎を垂らしながら待つ事にしよう!!


追記:
風の噂に聞く所によると、この後行われた「第8回Music-Summit」の打ち上げは最終的には朝5時まで続いたそうである。
午前2時までご一緒した筆者であったが、生搾りキウイサワーと熱燗(By 白木屋)のちゃんぽんが胃壁を直撃し、途中リタイアしてしまったのだった。
オエオエッとなりながら(吐いてないよ・笑)、「深夜の渋谷は、喧騒いう名の牙を忘れた獣のようである・・・」と、ちょっぴり詩人になってしまった筆者であった。

Fin

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